【活動レポート】2023/12/9 芋煮文化祭@品川 本照寺寺子屋みろく
2023/12/9(土)、全日本芋煮会同好会では初の企画「芋煮文化祭」を、品川にある本照寺の寺子屋みろくで開催しました。
■本照寺とのつながり
本照寺は、代表のアンディが品川区に住んでいた頃から、旧東海道品川宿エリアの仲間とともにお世話になってお寺で、都市部の緑化活動に対する住職のご理解のもと、所有されているマンション屋上を使って各種植木の栽培と野菜作りをおこなっていました。現在も仲間たちがここでイチゴ、夏野菜、そら豆、ホップなどを栽培しています。
寺子屋みろくは、本照寺の敷地をリノベーションし、平日は曜日限定でコミュニティカフェとして営業したり、週末は貸切イベントや撮影等でレンタル利用が可能で、地域の方々との交流の場となっています。
■なぜお寺で開催?
品川エリアのお寺は、もともと江戸時代から津波などの自然災害が発生した時の避難所として機能しており、幕府もその支援に力を入れていました。当時はお寺・神社も災害時の炊き出し等をおこなっていたそうです。「防災」と「お寺」はとても密接な関係があります。
最近の全日本芋煮会同好会は、単に美味しく楽しく芋煮会を楽しむだけでなく、芋煮会スタイルの考え方、運用ノウハウを災害時の食にどのように活用できるかを再整理し、全国に広める活動に取り組んでいますので、お寺で芋煮会のイベントを開催することは、とてもシンボリックで意義がある活動であると考えました。
■芋煮文化祭で実現したかった「3つの場」
コロナ禍に自粛していたイモニストとの活動再開、世の中の食イベント自粛からの解放のきっかけづくりを目指すとともに、あらためて「持ち寄る」「一緒に作る」「シェアする」芋煮会の魅力をより多くの方に触れていただきたい、という思いで、以下の3つの場をつくることを決定したのです。
・イモニストとその家族友人がつながる「交流の場」
・芋煮を食べたことがない、芋煮会に参加したことがない方々(いもっこさん)への「体験の場」
・芋煮会の魅力や活用の可能性を知る「学びの場」
■来場者の顔ぶれにスタッフ一同びっくり!
今回はイモニストメンバーがお誘いした友人を中心とした来場者を想定していましたが、全日本芋煮会同好会のFacebookページに「いいね」していただいてる方や、ネットで芋煮会イベントを検索していただいた方が、興味をもって単独で参加されている方が意外に多く、反響にびっくり!
初対面の方でも、スタッフだけでなく参加同士で芋煮のレシピや出身地の話題で自然とコミュニケーションがうまれていたのです。
■さまざまな芋煮を食べ比べ!
全日本芋煮会同好会では、さまざまな芋煮レシピを監修し、ホームページでも公開しながら、実際に芋煮会で調理し食べ比べをおこなっています。
今回は、その中から合計4種類の芋煮をご用意しました。
・山形村山風(牛肉・醤油風味)
・宮城風(豚肉味噌風味)
・愛媛のいもたき(鶏肉醤油風味)
・ぼうさい芋煮 備蓄品バージョン
※ここでの「ぼうさい芋煮」は、災害発生から3日目に残る食材で何ができるかを想定し、普段使いで保存が利く食材を活用して作成
東北の代表的な2種類に加え、愛媛県で秋に行われている「いもたき」と、最近積極的に試作を重ねている「ぼうさい芋煮」(保存食やローリングストック食材で代用する栄養豊富な芋煮)を食べていただこうということでこのチョイスにしました。ぼうさい芋煮は、動物性タンパク質を使用しない「ベジタリアン対応」を目指したレシピの第一歩でもあります。
芋煮食べ比べセットは4種類の中から2種類を選べ、単品でも選べるよう提供したところ、全部食べたくて2セット、そしてそれだけでは足りずにお気に入りをもう1セットと召し上がっていただく方も!なんとも嬉しい反響でした!
山形村山風(牛肉・醤油風味)
山形県内陸部でも特に芋煮会が盛んに行われる山形県・村山地区の芋煮。
里芋、牛肉、こんにゃく、長ネギを中心に、地域によってごぼうやキノコ類が入ります。
〆に残りのスープを使ったカレーうどんが人気。
宮城風(豚肉・味噌風味)
主に宮城県で親しまれる芋煮。さまざまな根菜を使い、具材を柔らかく煮込むのが特徴。
全日本芋煮会同好会のレシピでは、しょうがを多めに入れてアクセントをつけます。
愛媛いもたき(鶏肉・醤油風味)
愛媛県大洲市が発祥と言われ、日本三大芋煮のひとつ。「お籠り(おこもり)と呼ばれる伝統行事でふるまう鍋に各自が地元名産の里芋を持ち寄ったことがはじまりです。
現在では秋に河川敷で月を肴に里芋を味わう観光事業になっています。
ぼうさい芋煮(備蓄品バージョン)
災害時でも、温かく、栄養豊富で、水分が摂取でき、被災者が心の安らぎを得られるスープ。
里芋の代わりにさつまいも、そして肉類の代わりにストック食材(凍み豆腐、麩、切干大根)を活用し、ベジタリアンにも対応できます。
今回使用した里芋は、山形の「さとう農園」さんから調達しました。
通常のスーパーでは手に入らない、芋煮にぴったりのこだわりの里芋はネットでも購入できます。
特に「自然農法」の里芋は、きっと里芋の固定概念がひっくり返るほどの味と食感を体験できる、同好会オススメの逸品です。
さといもや さとう農園 オンラインショップはこちら
https://satoimoya.shop-pro.jp/
山形から「洗い芋」をお取り寄せ。煮込むとツルッとした食感がたまらない!
また、全日本芋煮会同好会のコミュニケーションレシピのページでは、
当日提供した「山形村山風」「宮城風」のレシピを公開しています。
自宅で作ってみたい方は、ぜひ参考にしてみてください。
全日本芋煮会同好会 コミュニケーションレシピはこちら
https://imonikai.jp/recipe/
■「学んで役立つ」芋煮会
会場の2階では、3人のイモニストが芋煮会の魅力や災害時の活用の可能性について考えるレクチャーをおこないました。
各10分のレクチャーを3ラウンド開催したところ、毎回ほぼ満席の盛況ぶりでした。
3つのレクチャー
1.芋煮会の魅力と活用事例
芋煮とは?芋煮会の魅力とは?なぜ同好会が誕生したの?
2.災害時の食の戦略
災害発生から72時間を健康に乗り切るための食の備えとは?
3.災害時に役立つ食料備蓄
必要な備蓄の内容、優先順位とその必要量とは?
3つのレクチャーを通しで参加された方々からは、「芋煮会が食育、コミュニティ支援、防災に役立つなんて目からウロコでした!」「山形で本場の芋煮会に参加するにはどうすればいいの?」「災害時の食の備えが全然できていないことに気づいたので、帰って必要なものを整理しよう!」といった、嬉しいお声をいただきました。
■環境にやさしい容器を使う、ゴミを最小化する
一般的に、食イベント運営上の大きな課題は、食材や提供する容器等による大量のゴミが出ることです。これを回避するため、
・必要な量の食材を綿密に計算し、カット済・調理済食材は使い切る
・未利用の食材は廃棄せず、最後にスタッフで公平に分け合う
・プラスチック製ではなく「紙製」の容器(スープカップ)を用意し、食べきってから次の芋煮を提供する
・食べ終わった容器は重ねることでコンパクトにする
これらのことをスタッフと来場者との間で周知して実行したところ、
これだけの規模感のイベントなのに、ゴミの量はとても少なく済ませることができました。
ただし、調理用飲料水のペットボトルや、食材を運んできた段ボールはまだまだ多く、これらをいかに減らしていけるかは今後の課題です。
そして11時から開始した文化祭はあっという間に時間が過ぎ、14時過ぎには用意した芋煮はおかげさまで完売となりました。
今回のイベントに参加してくださった来場者のみなさま、会場を提供いただいた本照寺様、そして初の試みに共感して関わってくれたイモニストメンバーのみなさん、本当にありがとうございます。あらためて心より感謝します。
終了後イモニストメンバーから「このイベントを一番楽しんだのは自分たちだったかもね!」という声をいただいたことで、このイベントが成功だったこと意味すると確信をもつことができました。
「持ち寄る」「一緒に作る」「シェアする」
これからもこの思いを大切に、人と社会に貢献していきます。
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