【活動レポート】 2023/12/3開催 ぼうさいイモニスト養成講座@越後川口

2023/12/3(日)、「ぼうさいイモニスト養成講座」を新潟県長岡市の川口地域で開催しました。
本件は、「あったかぼうさいスーププロジェクト」(株式会社NTTデータ経営研究所、全日本芋煮会同好会)が取り組む「関係人口 de レジリエンス!ぼうさいイモニスト倶楽部モデル事業」※としての取り組みです。

「あったかぼうさいスーププロジェクト」では、災害時の自助・共助の場面で活躍可能であり、実際の支援実績も豊富な東北の「芋煮会」に着目し、防災や被災地支援に加え調理に対して一定の知見を有する「ぼうさいイモニスト」を関係人口型で養成していく計画です。
「ぼうさいイモニスト養成講座@越後川口」は同事業においては3エリア目の開催で、越後川口まちの暮らしラボ、長岡市役所川口支所の協力を得て開催しました。

会場となった長岡市川口地域は2004年(平成16年)10月23日に発生した新潟県中越地震で震度7の甚大な被害により、ライフラインの断絶があった地域です。また、地震以外にも水害や雪害による様々な自然災害に直面していることから、公民挙げて防災への備えを活発に取り組んでいます。

前半では、芋煮会のもつ魅力と防災への取り組みを紹介後、ぼうさい芋煮の考え方について学んだうえで、はじめて芋煮会を体験する受講者が多い中、4つのチームを編成し、以下の4種類の芋煮レシピを調理しました。

・山形村山風芋煮     牛肉・醤油風味の代表的なレシピ

・山形村山風ぼうさい芋煮 里芋→じゃがいも、牛肉→ベーコン、長ネギ→玉ねぎに置き換え

・オリジナル越後川口芋煮  地元になじみのある汁物をベースに里芋と豚肉をメインした根菜たっぷり生姜醤油風味

・越後川口ぼうさい芋煮   里芋→さつまいも、豚肉→車麩、豆腐→凍み豆腐に置き換え

※ここでの「ぼうさい芋煮」は、災害発生から3日目に残る食材で何ができるかを想定し、普段使いで保存が利く食材を活用して作成

はじめての里芋のこそぎ方を全員で実践した後、チーム内で役割分担し食材の下準備にとりかかりました。初めて食べる山形村山風芋煮や、オリジナルの越後川口芋煮の食材について興味津々の参加者のみなさん。手際よく調理が進み、隣のチームのレシピも気にしながら会話がはずんでいきました。人間の生活にかかせない「食」の話題は、やはりコミュニケーションを活性化します。

調理工程でメイン食材を入れるタイミングや完成時に記念撮影するのが全日本芋煮会同好会のコミュニケーションレシピの特徴。いろんなポーズで撮影が進み、どんどん盛り上がっていきます。

記念撮影が終了すると、まずは自分たちが担当した芋煮を実食。そして他チームを回ってそれぞれの芋煮を味比べしながら、調理方法を聞いたり好みについて会話がはずみます。

芋煮の〆は、山形村山風芋煮をベースとした「カレーうどん」。ここでも美味しいと好評をいただきました。

後半では、災害の食の備えワークショップ「私のぼうさい★食戦略」をNTTデータ経営研究所のファシリテーションによりおこない、各チームメンバーの家庭の冷蔵庫やストック食材をベースに72時間(3日間)を乗り越えるための戦略とメニュー案を作成、発表し、自分たちで不足している食の準備について認識しあいました。

最後は、参加者の新潟県中越地震の被災体験について語っていただき、直後の様子や「食」の記憶をうかがいました。当日夜は食事がまともに取れる状況ではなかったことや、翌日以降に支給されたおにぎりの美味しさの記憶、自衛隊の支援物資の量や味などについて共有されました。

災害時はやはり「あたたかい食べ物」の記憶は鮮明で、「あったかぼうさいスーププロジェクト」が目指す方向性と合致することが確認できたと同時に、混乱のなかで栄養のあるあたたかい食事をとることに気持ちが向かない中で、食の備えの必要性をあらためて認識することができました。

次回「ぼうさいイモニスト養成講座」では、これまでの講座参加者とともに振り返りをおこなうオンライン交流会を開催するとともに、ぼうさいイモニスト認定をおこなう予定です。

※内閣府令和4年度補正「関係人口創出・拡大のための対流促進事業」の採択事業



会場は旧大光銀行


食材の調達は地元スーパーの安田屋さん。4つのレシピごとに食材を仕分けしていただきました!


ぼうさい芋煮の考え方についてのレクチャー


芋煮会の魅力と防災との繋がりについて紹介


恒例の里芋のこそぎ方実践。初めての処理方法に参加者のみなさんから驚きの声が!


さあ、チームごとに調理をスタート


子供たちも大活躍!


食材投入は思い思いのポーズで(笑)


「美味しくなあれ!」の思いを込めて


盛り盛りになった鍋に極限まで食材を投入!


こちらも長ネギ投入で最後の仕上げ


山形村山風の完成!


山形村山風ぼうさい芋煮の完成!


こちらはオリジナル越後川口風の完成!


越後川口風ぼうさい芋煮の完成!肉を使わず、高野豆腐、車麩、切干大根を使って大胆にアレンジ


大人気!山形村山風の〆は「カレーうどん」


チームごとの記念撮影。「はい!イモニー!」


「はい、イモニー!」


「ゲッツ!イモニー!」


「ヤー!イモニー!」


初めての山形村山風の芋煮。里芋がねっとりしてうんまい!


TV取材で芋煮のお味をコメント


災害の食の備えワークショップ。各自の家庭の食材を棚卸し


72時間の3日3食のメニューを話し合い


各チームの3日目のメニューを発表。栄養価は十分確保できているか!


3日目のメニューについて、栄養や保存方法などの観点からアドバイス


各チーム異なる内容に興味深々


チーム発表終了後は各自の備えを考える時間に。そして最後は参加者で記念撮影。「はい!イモニー!」