【活動レポート】2023/11/19開催 ぼうさいイモニスト養成講座@佐渡

2023/11/19(日)、「ぼうさいイモニスト養成講座」を新潟県佐渡市の宿根木集落にある宿根木公会堂で開催しました。
本件は、「あったかぼうさいスーププロジェクト」(株式会社NTTデータ経営研究所、全日本芋煮会同好会)が取り組む「関係人口 de レジリエンス!ぼうさいイモニスト倶楽部モデル事業」※としての取り組みです。
「あったかぼうさいスーププロジェクト」では、災害時の自助・共助の場面で活躍可能であり、実際の支援実績も豊富な東北の「芋煮会」に着目し、防災や被災地支援に加え調理に対して一定の知見を有する「ぼうさいイモニスト」を関係人口型で養成していく計画です。

「ぼうさいイモニスト養成講座@佐渡」は同事業においては2エリア目の開催で、佐渡市役所、新潟大学、NTTデータが設置する佐渡島自然共生ラボの活動の一環として、合同会社島とりどりのみなさんの協力を得て開催しました。
会場となった宿根木集落は、江戸時代中頃から明治にかけて、日本海を舞台とする廻船業の基地として栄えた地域で、今日もその時代の集落形態がみられる個性的な町並みは「重要伝統的建造物群保存地区」に指定され、現在の住民を中心に観光資源として保護され、その歴史的な街並みをガイド付きでまち歩きすることができます。
当日は宿根木集落にお住まいのみなさんを中心に、地元佐渡市の事業者やNPO、地域おこし協力隊のみなさんより受講いただきました。

前半では、芋煮会のもつ魅力と防災への取り組みを紹介後、防災芋煮の考え方について学んだうえで、芋煮会は今回がはじめての受講者が多いなか4つのチームを編成し、以下の4種類の芋煮レシピを調理しました。

・山形村山風芋煮     牛肉・醤油風味の代表的なレシピ
・山形村山風ぼうさい芋煮 里芋→じゃがいも、牛肉→鮭缶詰、長ネギ→玉ねぎに置き換え
・オリジナル佐渡風芋煮  鴨の鶏ガラスープで里芋と鴨肉をメインした醤油と味噌風味
・佐渡風ぼうさい芋煮   里芋→じゃがいも、牛肉→鯖詰に置き換え

※ここでの「ぼうさい芋煮」は、災害発生から3日目に残る食材で何ができるかを想定し、普段使いで保存が利く食材を活用して作成

はじめての里芋のこそぎ方を全員で実践した後、チーム内で役割分担し食材の下準備中や煮込んでいる間、チーム内では自然と食に関する好みや、ご自宅の自慢の料理や地元ならではの食文化や保存食の話題でにぎやかになっていきました。食の話題はやはりコミュニケーションを活性化します。

調理が完成したら、チームごとに記念撮影して、まずは自分たちが担当した芋煮を実食。そして他チームを回ってそれぞれの芋煮を味比べしながら、調理方法を聞いたり好みについて会話がはずみます。
食材の調理の前に野草摘みのチームが急遽編成され、採取した野草は軽く下茹でして、芋煮のトッピングとしていただきました。

芋煮の〆は、山形村山風芋煮をベースとした「カレーうどん」を提供。こちらもはじめての風味を味わった参加者から美味しいと好評で、調理方法についてたくさんのご質問をいただきました。

後半では、災害の食の備えワークショップ「私のぼうさい 食戦略」をおこない、各チームメンバーの家庭の冷蔵庫やストック食材をベースに72時間(3日間)を乗り越えるための戦略とメニュー案を作成、発表し、自分たちで不足している食の準備について認識しあいました。

最後は、佐渡市ジオパーク推進推進室から、「自然と共に生きる」と題し、佐渡における自然災害の歴史とリスク、そして災害への備えについてお話いただきました。

今回の養成講座では、コミュニティのなかに息づく保存食の習慣と、災害と背中合わせの環境下にある佐渡において、首都圏とは異なる日常のなかでの備えができていることに気づくとともに、集落の住民と新たに移住する住民同士が「持ち寄る」「一緒に作る」「シェアする」ことの重要性を再認識いただける機会となりました。

次回「ぼうさいイモニスト養成講座」は、新潟県長岡市で3回目の開催を予定しており、全国にぼうさいイモニストの輪を広げていきます。

※内閣府令和4年度補正「関係人口創出・拡大のための対流促進事業」の採択事業

全日本芋煮会同好会の活動紹介と芋煮会の魅力についての説明

ぼうさい芋煮の考え方の講義

4チームに分かれて調理開始。恒例の里芋の皮のこそぎ方をレクチャー

地元の方が処理して下さった鴨肉を使用!鴨ガラでスープをとる贅沢なオリジナルの佐渡風芋煮

鴨がらを水から煮込みます

鴨肉や他の食材も投入して煮込み開始

急遽編成された「摘み草探検隊」!

採取した野草を種類ごとに分けてお湯でゆがきます

下処理した6種類の野草は、佐渡風ぼうさい芋煮のトッピングとしていただきます

宿根木集落の方が手作りしてくださったこんにゃく!柔らかくても煮崩れせず他の具材と馴染んでいました

佐渡風ぼうさい芋煮の仕上げは「鯖缶」!

こちらはオリジナルの佐渡風芋煮!鴨とごぼうの旨味が引き立った新しい芋煮の完成!

芋煮が完成したらチームで記念撮影!

こちらは山形村山風芋煮の〆の「カレーうどん」!意外な美味しさにレシピの質問攻めに!

「私のぼうさい 食戦略」ワークショップ。ご家庭の冷蔵庫やストック食材を棚卸ししています

チームごとに、3日間3食のメニューを設計し、「3日目」の朝昼夜3食のメニューを発表

各チームの発表を参考に、明日からの食の備えの重要性を認識

佐渡市ジオパーク推進推進室による佐渡の自然災害とその備えについてのレクチャー

最後は「はい!いーもーにー!」の掛け声で記念撮影。ポーズはこの日決定しました!